新入社員の教育は直属の上司が責任を持って行うのが一般的ですが、現在の日本企業においては現状にそぐわない形となってしまっています。バブル崩壊後、新たな社員の採用を見送る企業も多く、社員の年齢構成がいびつになる企業が増えました。それにより、かなり年の離れた上司が指導者となるケースが増え、新入社員とのコミニュケーションが上手く取れず、新入社員の仕事に対するモチベーションが低下したり、メンタルに支障をきたすケースが増えたのです。そのような状態になった新入社員は行き場のない不安から離職という道を選択してしまい、結果的に問題となっている若者の早期離職へと繋がっていきました。
本来、上司が行うものであった教育において、上司がカバーできない部分をフォローする役割として登場したのがメンター制度です。年の離れた上司には相談できない内容も気軽に話せる、年の近い先輩社員がメンターとして付くことで常に安心して仕事に向き合うことができるようになるので、メンタルに支障をきたすことも予防することができます。
なお、指示や命令ではなく、対話に基づく自立というのがこの制度の基本原則となっており、新入社員も自ずと自立心も芽生えていくので中長期的に強い組織の生成に寄与していくこととなるのです。求人を探す側もこのメンター制度がある企業であれば、新入社員を迎える受け皿がしっかりしていると判断することができる材料になるので、積極的にチェックしていくことが大切でしょう。